基数詞(два、три、четыре)
два 2
дваは後に続く名詞の性と格によって形が変化します。
格 | 男性/中性 | 女性 |
---|---|---|
主格 | два | две |
生格 | двух | двух |
与格 | двум | двум |
対格(活動体) | двух | двух |
対格(不活動体) | два | две |
造格 | двумя́ | двумя́ |
前置格 | двух | двух |
主格と対格については、後に続く名詞の格に注意が必要です。
主格の場合、後に続く名詞は単数生格になります。
- два журнала 「二冊の雑誌」
- две книги 「二冊の本」
- два студента 「二人の学生」
対格の場合、活動体名詞は複数生格、不活動体名詞は単数生格になります。
- Я вижу два журнала, две книги и двух студентов. 「私は二冊の雑誌、二冊の本と二人の学生を見ています」
その他の格については、後に続く名詞は要求される格に従います。
- история двух девушек 「二人の女の子の話」(複数生格)
- Я дал это двум девушкам. 「私はこれを二人の女の子にあげました」(複数与格)
- с двумя рублями 「2ルーブルとともに」(複数造格)
- о двух героях 「二人の英雄について」(複数前置格)
три 3
триは後に続く名詞の格によって形が変化します。
格 | – |
---|---|
主格 | три |
生格 | трёх |
与格 | трём |
対格(活動体) | трёх |
対格(不活動体) | три |
造格 | тремя́ |
前置格 | трёх |
後に続く名詞の格についてはдваと同じです。
- три журнала 「三冊の雑誌」
- три книги 「三冊の本」
- три студента 「三人の学生」
- Я вижу три журнала, три книги и трёх студентов. 「私は三冊の雑誌、三冊の本と三人の学生を見ています」
- Я танцевал с тремя девушками. 「私は三人の女の子と踊りました」
- Я не могу обходиться без трёх стаканов водки в день. 「私は一日に三杯のウォッカなしではやっていけません」
- Невозможно просуществовать на трёх местах в то же время. 「同時に三か所に存在するのは不可能です」
четыре 4
четыреは後に続く名詞の格によって形が変化します。
格 | – |
---|---|
主格 | четы́ре |
生格 | четырёх |
与格 | четырём |
対格(活動体) | четырёх |
対格(不活動体) | четы́ре |
造格 | четырьмя́ |
前置格 | четырёх |
- четыре журнала 「四冊の雑誌」
- четыре книги 「四冊の本」
- четыре студента 「四人の学生」
- Я вижу четыре журнала, четыре книги и четырёх студентов. 「私は四冊の雑誌、四冊の本と四人の学生を見ています」
数詞(два、три、четыре)と名詞の間に形容詞を用いる場合
два、три、четыреと名詞の間に形容詞を用いる場合、主格と対格では注意が必要です。
主格の場合
後に続く名詞が女性名詞なら形容詞は複数主格を用います。
- две хорошие книги 「二冊のよい本」
- две красивые девушки 「二人の美しい少女」
後に続く名詞が男性名詞または中性名詞なら形容詞は複数生格を用います。
- два хороших журнала 「二冊のよい雑誌」
- два чёрных кота 「二匹の黒い猫」
対格の場合
後に続く名詞が不活動体の女性名詞なら形容詞は複数対格(=複数主格)を用います。
- Я вижу две хорошие книги. 「私は二冊のよい本を見ています」
それ以外の場合は複数生格を用います。
- Я вижу двух красивых девушек, два хороших журнала и двух чёрных котов. 「私は二人の美しい少女、二冊のよい雑誌と二匹の黒い猫を見ています」
余談
インド・ヨーロッパ祖語では単数と複数に加えて双数(二つのもの)を区別していました。
古いロシア語でも双数を区別しており、дваの後に続く名詞は双数形を用いていました。
当時のロシア語においては双数主格と男性単数生格が同じ形であり、ロシア語から双数の区別が失われた後は、双数形の代わりに単数生格が用いられるようになりました。
このルールをтриとчетыреにも適用するようになり、また、女性名詞についても同じルールを適用するようになりました。
(出典: Wiktionary)
дваに続く名詞が双数形の名残で単数生格になるのはわかるんですが、その考え方をтриとчетыреにも適用するようになった、っていうところはちょっと納得できてないです。
そんなに深く考えるところではないかもしれませんが、もし何か知っている方がいれば、ぜひ教えてください。
古いロシア語で双数を区別していた名残は、一応現在のロシア語にも残っています。
たとえば、глаз「目」の複数形глаза́やу́хо「耳」の複数形у́шиは一見不規則な変化ですが、これらは古いロシア語の双数形が現在の複数形に引き継がれたものです。
その他にも、川には岸が二つあることから、бе́рег「岸」→берега́といった例もあります。