一般相対性理論の前提となる原則

特殊相対性理論では慣性系のみを扱いましたが、一般相対性理論では非慣性系も含む一般的な座標系を考えます。
一般相対性理論は以下の二つの原則に基づいて構築されます。

  • 一般相対性原理
  • 等価原理

一般相対性原理は、あらゆる座標系において物理法則は変化しない、という原理です。
等価原理は、局所的には加速度運動による見かけの力で重力を打ち消すことができる、という原理です。

一般相対性原理

ここで言う座標系には、ある慣性系に対して加速度運動をしているような非慣性系も含まれます。
新しい座標$x’^{\mu}$が元の座標$x^{\mu}$の任意関数で与えられるような一般的な座標変換$x’^{\mu}=x’^{\mu}(x^{\nu})$を考えると、ある慣性系から非慣性系に移ることができます。
一般相対性原理は、このような変換を行った後でも物理法則の方程式が変換前と同じ形で与えられることを要求します。
これはテンソルだけで方程式が表されていれば実現されます。

等価原理

等価原理は、非慣性系における物理現象を重力と結びつけるために必要となります。

ある外力のかかっていない慣性質量$m_a$の粒子の運動を考えると、その運動方程式は$m_aa^i=0$となります。
ある加速度$\alpha^i$で運動する系からその粒子を見ると、その粒子には加速度と逆向きの慣性力がかかっているように見えます。

$$
m_aa^i=-m_a\alpha^i
$$

静止系に重力加速度$g^i$がかかっている場合、粒子には重力質量$m_g$に比例する力がかかります。

$$
m_aa^i=m_gg^i
$$

ここで、もし$m_a=m_g$なら、$\alpha^i=g^i$とセットすることで重力加速度を打ち消すことができます。

$$
m_aa^i=m_gg^i-m_a\alpha^i=0
$$

$m_a=m_g$であることは実験的に確かめられており、実際にこの方法で重力加速度を打ち消すことができることから、系の加速度運動による慣性力と重力は互いに見分けがつかず、等価であると考えられます。

計量について

特殊相対性理論で登場したミンコフスキー計量$\eta_{\mu\nu}$は平坦な時空を表す計量です。
一般相対性理論では歪んだ時空についても考える必要があるため、計量を$g_{\mu\nu}$と書き表し、ミンコフスキー計量$\eta_{\mu\nu}$と区別することにします。

世界距離はミンコフスキー空間と同様に$ds^2=g_{\mu\nu}dx^{\mu}dx^{\nu}$で与えられるものとします。
あるいは、$ds^2$がテンソル$g_{\mu\nu}$を用いて$ds^2=g_{\mu\nu}dx^{\mu}dx^{\nu}$と表せるとき$g_{\mu\nu}$を計量と呼ぶ、という理解でもいいかもしれません。

$g_{\mu\nu}$を求めること、ひいては$ds^2$を求めることが、(たぶん)一般相対性理論の最終的な目標だと思います。