受動分詞

2024年10月27日

受動分詞(страда́тельное прича́стие)には現在形と過去形があり、名詞を修飾する形容詞としての役割をもちます。

  • чита́емая книга 「読まれている本」
  • чи́танная книга 「読まれていた本」

不完了体動詞の場合は通常、現在形と過去形があり、現在形は「~されている」、過去形は「~されていた」という意味を表します。

完了体動詞の場合には過去形のみがあり、「~された」という意味を表します。

  • забы́тый сюже́т 「忘れられた筋書き」
  • уби́тый солда́т 「殺された兵士」

現在形の人称変化でеが現れる動詞(第1変化動詞)では、基本的に、受動分詞の現在形は語幹+-емый、過去形は-тьを除いた語幹+-нныйで作ります。
現在形の人称変化でиが現れる動詞(第2変化動詞)では、基本的に、受動分詞の現在形は語幹+-имый、過去形は-итьや-етьを除いた語幹+-анный / -ённый / -енный / -тыйで作ります。

不定詞受動分詞の現在形受動分詞の過去形
чита́тьчита́емыйчи́танный
слу́шатьслу́шаемыйслу́шанный
говори́тьговорённый
ви́детьви́димыйви́денный
убива́тьубива́емый
сказа́тьска́занный
написа́тьнапи́санный
прину́дитьпринудждённый
уве́ритьуве́ренный
уби́тьуби́тый

говоритьの受動分詞の現在形говори́мыйが使われることはまれなので、上の表では空欄としました。

これらの受動分詞はそれぞれ-ыйで終わる形容詞と同じように格変化します。
単独で名詞を修飾する場合はнаписанное письмо「書かれた手紙」のように名詞の前に分詞を置き、分詞を含む句で名詞を修飾する場合はカンマで区切って名詞の後に分詞句を置くのが基本です。

  • Это моя люби́мая книга. 「これは私のお気に入りの本です」(主格)
  • история забы́тых геро́ев 「忘れられた英雄たちの歴史」(生格)
  • Я сразу понял текущую ситуацию благодаря подробно написанному отчёту. 「詳細に書かれた報告書のおかげで私はすぐに現状を理解しました」(与格)
  • За люби́мую ро́дину! 「祖国のために!」(対格)
  • новый спо́соб пользоваться сло́манными но́утбуками 「壊れたノートパソコンを使う新しい方法」(造格)
  • Вам слышно что-нибудь об этом уби́том солда́те? 「この殺された兵士についてあなたは何か知っていますか?」(前置格)
  • Это картофель, выкопанный в прошлом году. 「これは去年掘ったじゃがいもです」(主格)

受動分詞で慣用的に使われるものをいくつか紹介します。

  • люби́мый 「お気に入りの」
  • подозрева́емый 「容疑者」
  • да́нные 「データ」
  • так называ́емый 「いわゆる」

любимыйはлюбимая родина「愛すべき祖国」のように、「愛すべき」という意味で使われることもあります。

данныеはラテン語のdata「与えられたもの」の直訳で、「データ」という意味になります。