特殊相対性理論に関するパラドックス

ここでは、特殊相対性理論に関するパラドックスをいくつか紹介したいと思います。
Wikipediaの記事に載っていることをそのまま紹介するだけなので、Wikipedia信者の方はそちらをご覧ください。

時計のパラドックス

今、一組の双子がいて、二人は慣性運動しながら次第に離れていきます。
このとき、兄から見ると弟の時計が遅れて見え、逆に弟から見ると兄の時計が遅れて見えます。
兄と弟、どちらの見え方が正しいでしょうか?

結論としては、兄と弟、どちらの見え方にも矛盾はない、ということになるらしいです。
慣性運動している二人は二度と出会うことはないため、もう一度会ってどちらの時計が遅れているのか確かめることはできないからです。

双子のパラドックス

今、一組の双子がいて、弟は慣性運動しています。
一方、兄はロケットに乗って遠方まで行き、その後ロケットで弟のもとに帰ってきます。
弟から見れば兄の時計は遅れており、兄から見れば弟の時計が遅れているはずですが、どちらが正しいでしょうか?

先の記事で、慣性運動している場合の固有時間が最も長くなることを示しました。
ロケットに乗った兄は慣性運動していないため、慣性運動している弟の固有時間の方が長くなります。
したがって、再会時には弟の時計の方が進んでいることになります。

ガレージのパラドックス

長さ$l$のハシゴと奥行き$L<l$のガレージがあり、ハシゴが高速でガレージに近づいてくるとします。
ガレージが静止して見える慣性系ではハシゴがローレンツ収縮するので、ハシゴがガレージに入ってしまいます。
一方、ハシゴが静止して見える慣性系ではガレージがローレンツ収縮するので、ハシゴはガレージに入りません。

これら二つは一見矛盾しているようですが、実はどちらも正しいです。
つまり、ガレージの系から見ればハシゴがガレージに入るように見え、ハシゴの系から見ればハシゴがガレージに入らないように見えます。

ガレージの静止系ではハシゴの後端がガレージに入りきった「後」にハシゴの前端がガレージの裏の壁にぶつかるのに対し、ハシゴの静止系ではハシゴがガレージに入りきらず、ハシゴの後端がガレージに入る「前」にハシゴの前端がガレージの裏の壁にぶつかります。
ハシゴの前端がガレージの裏の壁にぶつかる事象とハシゴの後端がガレージに入りきる事象には因果関係がないため、どちらが先に起こるかは慣性系によって変化するのです。

管理人はこのパラドックスについてはまだ直感的に理解できていない(だからパラドックス)ですが、まあそういうことらしいです。