変形されたアインシュタイン方程式

アインシュタイン方程式は

$$
R^{\mu\nu}-\frac{1}{2}g^{\mu\nu}R=\kappa T^{\mu\nu}
$$

と表されることを前回紹介しました。

リッチスカラー$R$の計算は複雑なので、どうにかしてそれを計算せずに済む方法はないでしょうか。
実は、アインシュタイン方程式を式変形することで、$R$を式からなくすことができます。

アインシュタイン方程式の両辺に$g_{\mu\sigma}g_{\nu\tau}$をかけます。

$$
\begin{align*}
&g_{\mu\sigma}g_{\nu\tau}R^{\mu\nu}-\frac{1}{2}g_{\mu\sigma}g_{\nu\tau}g^{\mu\nu}R=\kappa g_{\mu\sigma}g_{\nu\tau}T^{\mu\nu} \\
&\Leftrightarrow R_{\sigma\tau}-\frac{1}{2}g_{\sigma\tau}R=\kappa T_{\sigma\tau} \end{align*}
$$

さらに$g^{\sigma\tau}$をかけます。

$$
\begin{align*}
&g^{\sigma\tau}R_{\sigma\tau}-\frac{1}{2}g^{\sigma\tau}g_{\sigma\tau}R=\kappa g^{\sigma\tau}T_{\sigma\tau} \\
&\Leftrightarrow R^{\sigma}_{\;\sigma}-\frac{1}{2}\delta^{\sigma}_{\;\sigma}R=\kappa T^{\sigma}_{\;\sigma} \\
&\Leftrightarrow R-\frac{1}{2}\cdot 4R=\kappa T \\
&\Leftrightarrow R=-\kappa T
\end{align*}
$$

これを最初の式に代入して整理すれば、

$$
R^{\mu\nu}=\kappa(T^{\mu\nu}-\frac{1}{2}g^{\mu\nu}T)
$$

となります。
複雑な$R$を計算する必要がなくなり、代わりに$T=g_{\mu\nu}T^{\mu\nu}$を計算すればよいことになります。